最高のクリスマスプレゼント
私の心に一番残っているクリスマスは、車椅子で1年間過ごすことになった年のクリスマスです。
夏に入ってまもなく、私はスポーツ事故で、右ひざの前十字靱帯という場所にケガをしてしまいました。その後、靱帯の周りの神経も傷めてしまいました。そのため、松葉づえをついて歩くのさえ、ひどく痛みました。それで、とても恥ずかしかったのですが、ついに車椅子を使うことにしました。早く治りたくて、いろんな病院に行っては医者に診てもらいましたが、良い治療法は何一つありませんでした。ある医者は、高額な手術をしなくてはならないだろうと言いました。きびしいリハビリを提案した医者もいました。結局、数ヵ月様子を見て、自然に治るのを待つことにしました。
非常に活発なティーンエイジャーだった私にとって、これは最悪の出来事でした。いろんな場所に行って、いろんなことをしたいと思っていたのに、一日中家に留まりたくなどありませんでした! 私は地元の社交クラブのユースカウンセラーをしていて、5人組ダンスグループのダンサー兼振付師でもありました。ボランティア宣教センターのユースマネージャーもしていて、さらに2日に一度はスポーツをする「運動大好き人間」でした。
それが、活発で忙しかった日々を思い出しては、もう楽しい活動や運動とは永遠に別れを告げなくてはならないのだろうかと思い悩みながら、車椅子に座ってふてくされる羽目になってしまったのです。
数カ月経つと、筋肉を使っていないために足が委縮し始めました。さらに悪いことに、他の合併症にもかかってしまいました。おそらく手術が必要になるかもしれません。
医者から新たな診断結果を聞き、私は家に帰って、あらゆることについて考えました。当時、私はベッド脇のテーブルの上に聖句を編集した小さな本を置いていました。最悪のシナリオを考え過ぎた時はいつも、私が集めた「恐れを克服する」聖句のセクションを開きました。特に、次の聖句は大きな助けになりました。
志の堅固な者を、あなたは全き平安のうちに守られます。その人があなたに信頼しているからです。*1*
たといわたしは死の陰の谷を歩むとも、わざわいを恐れません。あなたがわたしと共におられるからです。あなたのむちと、あなたのつえはわたしをなぐさめます。*2*
わたしがおそれるときは、あなたに寄り頼みます。わたしは神によって、そのみ言葉をほめたたえます。わたしは神に信頼するゆえ、おそれることはありません。肉なる者はわたしに何をなし得ましょうか。*3*
そのころ、母は私たちが以前いっしょに読んだ本「獄中からの讃美」*4*のことを思い出させてくれました。その本は、最悪の状況の中で賛美し、その状況が良いものに変わるのを見なさい、と人々に教えた牧師について書かれています。彼は、足が不自由な人が歩けるようになり、子供が死からよみがえったのを目撃しました。すべて、神への賛美のおかげでした。
その日から、私は賛美することにしました。これは、私が自ら掘った穴から引き上げてくれる命綱になりました。自分の状況について考える時はいつでも、その状況について賛美し、体の状態や、さけられそうにない手術についても、主に感謝しました。祈りと賛美の力によって、これから起ころうとしていた素晴らしい奇跡のことなどは、全く予想もしていませんでした!
家族や友人が祈ってくれてから2週間ほど経ったころ、私はセカンドオピニオンを聞くために別の病院に行きました。症状が悪化しているのではないかと心配になったので、私は即座に祈って夢中で賛美し、聖句「正しい者には災いが多い。しかし、主はすべてその中から彼を助け出される」*5*を引用しました。
診察の後、医者は検査結果を見せながら説明してくれました。写真からは、問題となる症状は消えていました! 私はいやされたのです!
このいやしは、主が祈りに答えられたという証しになりました。神様が祈りに答え、ご自分の者を顧みられた、実際に起こった奇跡に、座って耳を傾けない人はほとんどいませんでした。
それだけではありません! 私は理学療法を受けることができ、数ヵ月後には、足は手術なしで自然に治りました。クリスマスに間に合ったのです! 私は全快しただけでなく、ダンスグループに戻って、国中でパフォーマンスすることができました。今では、痛みや孤独、不安、憂うつがどんなものなのか分かるので、入院している人や養護施設にいる子供たちにも、私だけでなく彼らのことも気にかけてくださっている神様がいることを示してあげたいと思いました。
脚注:
*1* 新改訳聖書、イザヤ書 26:3
*2* 口語訳聖書、詩篇 23:4
*3* 口語訳聖書、詩篇 56:3-4
*4* 獄中からの讃美、マーリン・キャロザース著、初版は1970年に出版
*5* 口語訳聖書、詩篇 34:19