マイ・ワンダー・スタジオ
「わたしにしたのである」: モミの木の伝説
金曜日, 12月 11, 2020

「わたしにしたのである」:モミの木の伝説

 ある寒い冬の夜、二人の子供達が暖炉の火にあたっていました。すると、弱々しく戸をたたく音がしました。一人がすぐに走って行って、戸を開けました。

 外には、暗くて寒い中、ボロボロの薄い服をまとった裸足の子供が立っていました。その子は寒さにふるえ、中に入って暖まってもいいかとたずねました。

 「もちろんだよ。さあ入って。」 二人の子供達が声を上げました。「暖炉のそばにおいでよ。早く!」

 二人は、この見知らぬ子供を暖まったいすに座らせ、夕食をごちそうしました。そして、ベッドをゆずり、自分達は固い長椅子に寝ました。

 夜中になると、二人はどこからか流れてくる心地よい音楽で目が覚めました。外を見ると、輝く衣をまとった子供達が家に向かって来るのが見えました。その子供達が奏でる金のハープの音が、そこら中に満ちていました。

 その時です。あの見知らぬ子が、二人の前に立ちました。もはや、ボロはまとっていません。銀色の光に包まれているのです。

 彼はおだやかな声で言いました。「ぼくがこごえていた時、君達は家の中に入れてくれました。ぼくが空腹だった時、君達は食事をごちそうしてくれました。ぼくがつかれていた時、君達はベッドを貸してくれました。ぼくは子供のキリストです。世界中を回って、すべての良い子達に平和と幸せをもたらしています。君達がぼくにしてくれたように、この木が毎年、君達にも豊かな実を実らせてくれますように。」

 そう言いながら、彼は戸のそばに生えていたモミの木から枝を1本折って、それを地面に植えた後、姿を消しました。その枝は成長して大きな木になり、この親切な子供達のために、毎年素晴らしい金色の実をつけたのでした。

 「すると、王は答えて言うであろう、『あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである。』」(口語訳聖書、マタイによる福音書 25:40)

 このお話の元になっているマタイによる福音書の25:31-46で、イエス様の言葉を読んでみましょう。

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タグ: おしみなく与えること, 与えること, クリスマス